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東洋の英知

USA チャーリー・チャン警部
(チャーリー・張)
(Charlie Chan)

チャーリー・チャン警部

チャーリー・チャンの追跡
「チャーリー・チャンの追跡」
(1928年)
(東京創元社)
 アメリカ黄金時代の作家アール・デア・ビガーズが創造した、ハワイ・ホノルル警察に勤務する中国人探偵。

 かたことの英語を話し、小太りで背は低く、眠そうな細い目をしていて、一見風采の上がらない人物のように思えますが、昔の中国の言葉をやたらと引用して容疑者を煙に巻きつつ、「東洋の英知」と呼ばれるその明晰な頭脳と慎重で忍耐強い捜査活動で徐々に、しかし確実に犯人を追い詰めていく名警部です。

 秦の始皇帝の諺を引用し、「昨日の勝利語って、今日おごる者、明日語ること何もなし」と謙虚な姿勢を崩さず、また常に相手を立てる好人物で、周囲からも慕われる存在でもあります。
 ロンドン警視庁のダフ上席警部とはいくつかの事件を通じて固い友情と信頼関係が芽生えました。

 天涯孤独な名探偵が多い中では珍しく大変な子持ちで、ハワイ・ホノルル市街を見下ろすパンチボウルの丘の上に建つ自宅に、留学中の長女を除く10人の子供と愛妻に囲まれて幸せな生活を送っています。

 この時代というとロナルド・A・ノックスの〈探偵小説十戒〉にもあるとおり(その5「不吉な外国人、殊に中国人を登場させてはならない」)、中国の人々は欧米人からはどちらかというと妖しげで近寄り難い雰囲気も持っていて、悪人扱いされることが多かったという時代背景があったのですが、このチャーリー・チャン・シリーズはチャン警部の温かく親しみやすい人柄と風変わりな人物設定が発表当時から大変な好評を博しただけではなく、そういった中国人=悪人という先入観を払拭するのにも一役買ったと言われています。

 ビガーズの残した原作は6つの長編だけですが、これらはたちまち映画化され、その他にもオリジナルのチャン警部シリーズの映画もたくさん作られたそうです。

 またチャン役で有名なのがトーキーになってからチャンを演じたウォーナー・オーランドで、山羊髭に肥満体のイメージは彼の演じたチャンのイメージが定着したものです。
チャーリー・チャンの活躍
「チャーリー・チャンの活躍」
(1930年)
(東京創元社)

■原作■

E・D・ビガーズ
(Earl Derr Biggers 米 1884-1933)


■人物ファイル■

所属 ハワイ、ホノルル警察の捜査主任
(初期は巡査部長、のち警部に昇進)
家族 愛妻と、本土の大学に留学中の長女ローズを含めて11人の子供がいる
特技 論語や古諺の引用
協力者 サンフランシスコ警察のトム・フラネリー警部
ロンドンのダフ上席警部
部下で日本人の刑事カシマ
事件簿 全6長編に登場
他にも無数のオリジナル映画・ラジオドラマがあるらしい

■事件ファイル■

【長編】

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
鍵のない家 1925 芸術社 推理選書10('57)
別冊宝石45('55)
偕成社 世界推理・科学名作全集19('64)(ジュヴナイル)
 
シナの鸚鵡
(幽霊犯人)
(まぼろしの犯人)
1926 HPB162
ポプラ社 世界名作探偵18('55)
旺文社 中学時代一年生'61.12付録(ジュヴナイル)
ポプラ社&旺文社版はジュヴナイル(抄訳)
チャーリー・チャンの追跡
(カーテンの彼方)
(消ゆる女)
1928 創元文庫122-2
HPB108
日本公論社('36)
 
黒い駱駝 1929 別冊宝石45(抄訳)('55)
黒白書房 世界探偵傑作叢書4('35)
新青年'32夏期増刊
 
チャーリー・チャンの活躍
(チャーリー・張の活躍)
(観光団殺人事件)
(観光船殺人事件)
(世界観光団の殺人事件)
(のろわれた世界旅行)
1930 創元文庫122-1
HPB215
雄鶏社 雄鶏みすてりーず13('50)
春秋社 傑作探偵叢書('35)
探偵小説'31.10(1-2)
岩崎書店(ジュヴナイル)
 
The Keeper of the Keys
(鍵の番人)
1932 -  

【オムニバス】

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
The Celebrated Cases of Charlie Chan 1933 - 長編1〜5を収録

【参考】「チャーリー・チャンの活躍」(東京創元社 創元推理文庫)
名探偵コナン29巻(小学館)
 


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