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角川書店
角川文庫 赤254-2 |
建築家、ラリー・コールが、マーガレットを初めて見たのは朝のバス停だった。淡い金髪に茶色の目、あたりの空気を引き裂くような美しい女だった。
ラリーは、仕事にも家庭にも不満があるわけではなかった。今はある流行作家の大邸宅の設計に取りかかっていたし、家庭には美しい妻の二人の子供がいる。同じ住宅地に住むマーガレットとは、それ以来時々顔を合わせた。ある日、彼は意を決して彼女をお茶に誘った。マーガレットにも家庭があることは承知の上で─。
それがすべての始まりだった。二度目の逢いびきは夜。人目を忍ぶ恋だけに、そしていつの日か破局が訪れることがわかっているだけに、二人の愛はいっそう燃えあがるかに見えた……。 |