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怪盗小説

倒叙ミステリの名手

UK ロイ・ヴィカーズ
(Roy Vickers)

迷宮課事件簿[ I ]
「迷宮課事件簿[ I ]」
(1949年)
(早川書房)
 倒叙ミステリの名手として知られるイギリスの作家。オックスフォード大学を出て法学院で法律を学びますが、弁護士にはなりませんでした。

 その後ゴーストライターとして作家生活をスタートしますが、上手く行かず、新聞の犯罪担当記者、〈ノベル・マガジン〉などの週刊誌・月刊誌の編集者となり、短編を発表し続けます。

 当初はスリラーものも書いていましたが、作家としての芽が出始めたのは1924年に発表したデイヴィッド・ダーラム名義の妖精のような小娘怪盗フィデリティ・ダヴを主人公とした「フィデリティ・ダヴの功績(The Exploits of Fidelity Dove)」からでした。

 この物語は小娘のダヴが悪徳商人やスコットランド・ヤードを手玉にとる痛快さと、彼女がどうやって盗んだのかという〈ハウダニット〉式の謎解きに魅力があります。

 さらにヴィカーズの名を決定的に有名にしたのは、1934年、〈ピアスンズ・マガジン〉にロンドン警視庁〈迷宮課〉を舞台とする短編「ゴムのラッパ」を発表してからです。

 この作品がフレデリック・ダネイの目にとまって〈エラリイ・クイーンズ・ミステリ・マガジン(EQMM)〉に再録されてからは、この〈迷宮課〉シリーズを中心に短編を発表し、人気作家となりました。

 〈迷宮課〉シリーズは、スコットランド・ヤードの他の係・課が匙を投げたあらゆるものを引き受けるのが仕事で、ジョージ・レイスン警部がおもに登場して活躍します。

 この作品はまず犯行の場面が描かれ、それを探偵役が暴いていくという、いわゆる〈倒叙型〉の推理小説の傑作短編集として評価の高いシリーズです。

 ヴィカーズには45年間で67の長編と8冊の短編集があることが確認されているそうですが、様々な筆名を用いて作品を発表しており、他にも作品があるのではないかと言われています。
 またわが国においては長編の紹介は「ヴェルフラージュ殺人事件」のみであり、それ以外の邦訳は全て中短編の中からです。
ヴェルフラージュ殺人事件
「ヴェルフラージュ殺人事件」
(1950年)
(早川書房)

■作家ファイル■

出身地 イギリス
学歴 サリー州チャターハウス・スクール、オックスフォード大学ブレイズノーズ・カレッジ卒
生没 1888年?〜1965年7月22日
作家としての経歴
1921 ミステリ長編「芳香のする死の謎」でミステリ作家としてデビュー
1924 フィデリティ・ダヴを主人公とした「フィデリティ・ダヴの功績(The Exploits of Fidelity Dove)」を発表
1934 〈ピアスンズ・マガジン〉にロンドン警視庁〈迷宮課〉を舞台とする倒叙ミステリの短編「ゴムのラッパ」を発表
1947 エラリイ・クイーン編で、迷宮課シリーズの傑作短編を収めた短編集「The Department of Dead Ends」を刊行
1949 倒叙ミステリの短編集「迷宮課事件簿T」を刊行
シリーズ探偵 ジョージ・レイスン警部&ロンドン警視庁〈迷宮課〉 (The Department of Dead Ends)
怪盗フィデリティ・ダヴ (Fidelity Dove)
代表作 「ゴムのラッパ」

■著作リスト■

1 ロンドン警視庁〈迷宮課〉シリーズ作品リスト

2 怪盗フィデリティ・ダヴ登場作品リスト

3 J・レイスン警部登場作品リスト

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
The Mystery of the Scented Death
(芳香のする死の謎)
1921 -  
The Man in the Shadow 1924 - セフトン・カイル名義
The Hawk 1930 -
Red Hair 1933 -
Bardelow's Heir -  
The Life He Stole 1934 - セフトン・カイル名義
Money Buys Everything -  
Silence 1935 - セフトン・カイル名義
Kidnap Island -  
10 The Man in the Red Mask -  
11 The Bodx in the Safe 1937 - セフトン・カイル名義
12 Terror of Tongnes! -  
13 The Girl in the News -  
14 During His Majesty's Pleasure 1938 - セフトン・カイル名義
15 The Life Between -  
16 She Walked in Fear 1940 -  

4 ジェイムズ・シグローヴ登場作品リスト

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
The Vengeance of Henry Jarroman 1923 -  
Ishmael's Wife 1924 -  
Four Past Four 1925 -  

5 その他の作品

【長編】

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
The Unforbidden Sin 1916 -  
The Lady of Kalamaria 1918 -  
A Murder for a Million 1924 -  
The Unforbidden Sin 1926 - 1とは別ヴァージョン
The Randingham Mystery 1928 -  
The Gold Game 1930 -  
The Deputy for Cain 1931 -  
The Marriage for the Defence 1932 -  
Hide Those Diamonds! 1935 -  
10 I'll Never Tell 1937 -  
11 The Enemy Within 1938 -  
12 Playgirl Wanted 1940 -  
13 Brenda Gets Married 1941 -  
14 A Date with Danger 1942 -  
15 War Bride -  
16 Murder of a Snob 1949 -  
17 ヴェルフラージュ殺人事件 1950 HPB402 カイル警部
18 Find the Innocent
(米 The Girl Who Wouldn't Talk)
1959 -  

【デイヴィッド・ダーラム名義の長編】

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
The Woman Accused 1923 -  
Hounded Down -  
The Pearl-Headed Pin 1925 -  
The Forgotten Honeymoon 1935 -  
The Girl Who Dared 1938 -  
Against the Law 1939 -  

【短編集】

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
  罪なき者を捜せ 1961 HPB1008  
  1 二重像 1954 早川文庫2-29「黄金の13/現代篇」
EQMM'58.9
 
2 殺人者はいつも      
3 女神の台座      
4 十二分の墓
(十二分間の埋葬)
1952 HMM'76.11  
5 罪なき者を探せ 1954 EQMM'63.5  
  The Sole Survivor and The Kynsard Affair 1951 -  
  1 The Sole Survivor   -  
2 The Kynsard Affair   -  

【邦訳短編】

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
八番目の明かり
(八番目のスイッチ)
1916 講談社文庫「世界鉄道推理傑作選2」('79)
HMM'75.8
 

 


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