記念すべきフレンチ初登場作ですが、意外な結末も用意されておりとても面白く読むことができる好編です。難易度はそれほど高くなく本格ものを読み慣れている方なら犯人当ては容易な感じもするのですが、他にもいろいろな要素が詰まっているので、飽きることはないと思います。またクロフツ特有の読者が探偵と一緒になって捜査している気分が味わえるという魅力も十分満喫することができるでしょう。 主人公のフレンチ警部については、まだこの頃は名探偵とはいえない凡人・努力型の探偵で(シリーズが進むにつれてだんだん天才型になっていってしまう)、そんなフレンチが妻のエミリーと事件について考えるシーンはとても微笑ましく、人間的なキャラクターに私は好感が持てました