死の競歩 タイトル

死の競歩

原題

Wobble to Death

発表年

1970

著者/訳者/解説

ピーター・ラヴゼイ/村社伸/S

カバーデザイン

勝呂忠

ページ数

230(巻末「ビクトリア朝ミステリ」)
作品レビュー

あらすじ(解説文)

出版

早川書房
ハヤカワポケットミステリ
1201
1879年11月の肌寒い月曜日の午前1時ロンドン郊外イズリントンの農業ホールで”ウォッブルズ”が開始された。”ウォッブルズ”は”気の向くままに行く”とも呼ばれる19世紀末ヴィクトリア朝に流行した徒歩競技で、その過酷さはやはり当時盛んだったナックルファイティング(素手の拳闘)以上といわれた。競技は昼夜をわかたず6日間にわたって続けられ、その間最長距離を走破したものに賞金の500ポンドが与えられることになっていた。レースの参加者は、プロの選手とは見えない貧弱な体の”謎の男”を含めて16人、興味の焦点は軍人で紳士然とした選手権保持者のチャドウィック大尉とスタイルを無視した力強い走法で数々の競技に勝ち抜いてきた下層庶民のダレルの対決だった。
初日月曜日、レースは早くも白熱していた。ダレルが猛然たる勢いでスパートし、はじめて動揺の色を見せたチャドウィックがこれまたすさまじいスピードでライバルに追いすがり、猛烈な競り合いが演じられたのだ。そして2日目、3時間の睡眠後再び二人の対決が開始され、競技はますます興味を増すかに見えたが、そのとき気違いじみたスピードで飛ばしていたダレルが突然死亡するという事故─殺人事件が生じたのだ!
ヴィクトリア朝イギリスの驚くべき再現に本格ミステリの醍醐味を甦らせた処女犯罪小説賞受賞作品!

初版

1973年

重版

1989年再版(800円)

入手

セブンアンドワイicon amazon

ISBN

4-15-001201-6

【感想】★★★

 ラヴゼイの処女作で、高い評価を受けているのも頷ける内容でした。とにかく人物がとてもよく描かれていて、様々な人間のやりとりも楽しく、物語としても凄く面白かったです。舞台設定もユニークで当時の時代背景もよく描かれていて興味を惹かれました。
 ウォッブルズの死闘が展開されている中で事件が発生し、衝撃を受けながらもレースをひたすら頑張る選手の姿にも胸を打たれますし、選手に気を遣いながらも懸命の捜査を続けるクリッブら警察官の頑張りにも拍手を送りたいと思います。

 ミステリーとしてもオーソドックスな謎解き小説で、動機も結構意外性に満ちていてなるほどと思いました。本当に危なげの無い内容です。
 さすが現代イギリスを代表する作家と言われるだけのことはあります。とてもいい印象を持ちました。