出版 |
学習研究社
中学三年コース1964年9月号第3付録 中学生傑作文庫 |
なぞ解きを中心にした探偵小説を本格探偵小説といいますが、最近では本格もののすぐれた中篇や短篇が少なくなっています。 パトリック・クェンティンの『笑う男』は、そうした数少ないすぐれた本格ものの一つで、たたみかけるようなテンポのはやさといい、読者に解決の手がかりをはっきりとしめすところといい、本格探偵小説の楽しさをおおいに味あわせてくれる作品です。
パトリック・クェンティンは、いまから二十五年まえにアメリカの探偵小説界にデビューし、以来第一線で活躍してきたベテランです。クェンティンはどちらかといえば、長篇よりも、中篇や短篇が得意な人で、本篇は作家としてもっとも油の乗りきった時期に書かれた作品です。 |