出版 |
早川書房
ハヤカワポケットミステリ
1001 |
タイガー・マンの弾丸を喰らいこんだヴィト・サルヴィは、いまや虫の息だった。東側でも指折りのスパイであるヴィトは、両手で胃のあたりをおさえ、身体からはみだしかけたはらわたをおしこんでいる。タイガーはふたたび撃鉄をおこして、とどめの一発を撃ちこもうとしていた。タイガーに撃ち返される直前、ヴィトは三人のアメリカ情報部員を殺していた。ドアのむこうの部屋には、三つの死体がころがっていたのだ。そのなかには、タイガーの所属する情報機関のスパイも含まれていた。……核ミサイルを発射する、アメリカ大統領専用のプッシュ・ボタンを、横合いから秘密裡に操作できる装置を造った科学者がいて、タイガーたちは、その科学者を必死になって追っていた最中の出来事だった。殺されたタイガーの同僚もタイガーも、そしてソ連側のスパイも、躍起となって、その消息を絶った科学者を突きとめようとしていたのだが……もしその装置がソ連の手におちれば、ソ連の優位は動かせなくなり、世界は大混乱におちいるのは必至だった。かくして、そうはさせじと、カウンター・スパイ、タイガーの拳銃は火を吹き、熾烈な国際スパイ戦の火ぶたは切っておろされたのである! 101番『大いなる殺人』でデビューしたミッキー・スピレイン、1001番の栄誉をになって華々しく登場! |