出版 |
早川書房
ハヤカワポケットミステリ
472 |
雑誌「乙女の友」の有能な女性記者、ミス身上相談のカティンカ・ジョーンズは、春の休暇を利用して、久しぶりに故郷ウェールズの土を踏んだ。生まれ故郷の山河も懐しくはあったが、彼女のもう一つの目的は、愛らしいウェールズの少女アミスタを訪問することにあった。年上の男に恋してはいけないか、という身上相談の手紙が届いて以来、アミスタは「乙女の友」の編集部の人気者だった。なんのいけないことがあろうかと、カティンカは月並みな返事を書いたが、効果はてきめん、アミスタは踊り出すような感謝の言葉を、次の手紙に書きつらねてきた。そしてそれ以後、今日は手を握ったとか優しい眼差で見つめたとか、逐一報告してくるようになった。やがて男は求婚し、アミスタはそれを受け入れ、カティンカがウェールズについた頃には、もう結婚しているはずだった。ところが……雨を冒し河を渡り山道を登りつめて、目指すアミスタの家に来てみれば、その家の主人も、召使いも口をそろえて、そんな女はいないと言うのだ!
しかし、その古い大きな屋敷には、なにか謎がありそうだった。カティンカは秘密を探ろうと決意したが?
山深いウェールズの田舎に、カティンカが嗅ぎつけたのは現代版『ジェイン・エア』の悲劇か? イギリス女流中の第一人者ブランドが描く本格推理の秀作。 |