出版 |
早川書房
ハヤカワポケットミステリ
596 |
11月の感謝祭の夜、静かに晩餐を楽しんでいた保安官、レックス・ブランドンの家に、突然、聞きなれない声の電話がかかった。はるばる弟に会いに行く途中、ラス・アリダスで、酒を飲んだ勢いでセダンを盗んだ─と、電話の男は言ってきたのだ。保安官は早速、地方検事、ダグラス・セルビイに連絡をとるや、オレンジ・ハイツにいるというその男のところへ車を飛ばした。問題の車は、オレンジ・グローヴ街とマディスン通りの角にパークしていた。だが……保安官とセルビイがその車に近づいていったとき、オレンジ・ハイツから坂を疾走してきたトラックがセダンに衝突したのだ! 一瞬の出来事だった─車の男は押しつぶされ、そのそばで、黒い小犬が鳴いていた……。死んだ男は、ハリウッドにチェイン・ストアを経営するデスモンド・L・ビルメイア、しかも奇妙なことに、10年も昔の古ぼけた手紙を一通持っていたのだ。しかし、この事件は意外な方向へと発展した。死体はカールトン・グラインズであるという申し立が、カールトンの弟からあがったのだ! が、カールトンは10年前、オレゴン州の刑務所で起った火事騒ぎで、焼死したはずだという。セルビイは、すぐさま事件の徹底的な捜査にのりだした。 |