出版 |
早川書房
ハヤカワポケットミステリ
1132 |
クール&ラム私立探偵事務所を訪れたクレイトン・ドーソンは口ごもっていた。探偵の一般的イメージからあまりにかけ離れたラムの体躯に対する懸念が、重量感あふれるバーサの登場で吹っ飛んだあとでもそうだった。
コロラド州デンヴァーの実業家であるドーソンには、勘当され、家出したフィリスという娘がある。そのフィリスに関して、またもやトラブルが起きたらしいのだが、といってドーソンはスーツの切れはしを取り出した。そして切り出した用件というのは、その切れはしが、彼の娘の車に付着していたと主張する者があらわれるかもしれないから、その切れはしの意味するところを突きつめ、巧妙に処理してほしいというものだった。バーサは事情を呑みこめずに目をパチパチさせていたが、簡単にいえば、ドーソンの依頼はひき逃げ事件のもみ消しだった。だが、これは、犯罪の証拠隠滅は私立探偵の認可取り消しになるという規定にひっかかる。事件は単純だが、用件はむずかしい。しかし、体はともかく頭脳への挑戦には断じて退くわけにはいかぬラムお安い御用と引き受け、まんまともみ消しを成功させたのだが。しかし、そのラムはひき逃げ事件と同じ時間に起きた他州の殺人との関連が浮び上るにつれ窮地に立たされた! 意外な謎の展開、第一級のトリック、軽快なテンポに満ちた26冊目のクール&ラム・シリーズ! |