売れっ子パルプ作家として活躍

USA セオドア・ロスコー
(Theodore Roscoe)

死の相続
「死の相続」
(1935年)
(原書房)

 アメリカの作家。8歳の時に最初の小説を書き上げるなど早熟だったらしく、各地を転々としながらパルプライターとして数多くの作品を残しました。

 ロチェスターに生まれ、高校時代に故郷でフランス軍所属の外人部隊にいた男と知り合いになったことがきっかけで外人部隊に魅せられ、1931年に外人部隊が派遣されていた北アフリカのカサブランカで知り合った男をモデルにチボー・コーデーという名の外人部隊の老兵が活躍する冒険小説を書き上げます。

 するとこれが当時の代表的パルプ雑誌〈アーガシー〉に掲載されて評判となり、それをきっかけに〈アーガシー〉や〈アドヴェンチャー〉、〈ウィアード・テールズ〉などのパルプ雑誌に毎号のように作品が掲載され、売れっ子作家として大活躍しました。

 第二次世界大戦では海軍に入隊し、戦後はその時の経験を活かして退役軍員の恩給に関する委員会の委員を務めるなど政治や軍事方面の仕事で活躍し、軍事艦や潜水艦などについての専門書などを数多く出版しています。

 ミステリについてはイギリスのミステリ研究家ロバート・エイディーの密室・不可能犯罪についての名著「Locked Room Murders and Other Impossible Crimes」(1991)の中で、知られざる密室物の傑作として2つの長編が紹介されています。


■作家ファイル■

出身地
アメリカ、ニューヨーク州西部のロチェスター生まれ
学歴
シラキュース大学、コロンビア大学卒
生没
1906年〜1992年
作家としての経歴
1927
パルプ雑誌〈デンジャー・トレイル〉の9月号に短編「The Phantom Castle of Genghiz」を発表(確認できるもっとも古い作品)
1931
北アフリカのカサブランカで知り合った外人部隊の老兵をモデルにチボー・コーデーという名の外人部隊の老兵が活躍する冒険小説を書き評判となり、以後パルプ作家として〈アーガシー〉や〈アドヴェンチャー〉、〈ウィアード・テールズ〉などの雑誌に中短編を多数発表
1935
密室物の傑作「死の相続」をパルプ雑誌〈アーガシー〉誌に発表
シリーズ探偵
なし
代表作
「死の相続」
「I'll Grind Their Bones」

■著作リスト■

1 ミステリ長編

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
死の相続 1935 原書房 ヴィンテージ・ミステリー・シリーズ('06)
I'll Grind Their Bones 1936 -

2 その他の主な作品

【中長編】

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
The Voodoo Express 1931 -
Z Is for Zonbie 1937 -
Only in New England 1959 -
The Web of Conspiracy 1960 - リンカーン暗殺を扱った小説
To Live and Die in Dixie 1961 -

【評論その他】

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
Pulpmaster: The Theodore Roscoe Story 1992 -

【参考】「死の相続」(原書房 ヴィンテージ・ミステリー・シリーズ)